プロセス中心設計(Process-Centered Design)とは、「人」や「機能」ではなく、ビジネスや業務のプロセス(流れ)を中心に設計する手法です。システムや組織の構造を、「どのように仕事が流れていくか」を基準に考えるのが特徴です。
✅ 具体例:請求書発行プロセスを中心にした設計
● 背景シナリオ
中小企業において、営業→受注→納品→請求→入金確認という一連の業務があるとします。
● プロセス中心設計の流れ:
【1】プロセス定義(例:請求業務プロセス)
1. 営業担当が受注を登録2. 営業事務が納品書を発行3. 経理担当が請求書を作成・送付4. 入金確認後、売上確定
【2】このプロセスに基づいて必要な機能・システムを洗い出す
| ステップ | サポートされる機能 |
|---|
| 1. 受注 | 受注入力画面、取引先マスタ連携 |
| 2. 納品 | 納品書PDF出力、自動メール送信 |
| 3. 請求 | 請求書発行、期日管理、会計ソフト連携 |
| 4. 入金 | 入金消込、消込結果で売上自動計上 |
【3】ユーザー権限と役割もプロセス基準で設計
営業:受注登録・納品確認
事務:納品書管理・請求書作成
経理:請求書送付・入金消込・売上確定
✅ この設計手法のポイント
「請求書モジュール」や「営業部門UI」などの機能単位や部門単位ではなく、「請求業務の流れ」を軸に設計
各機能や画面は、「プロセスのどこで必要か?」を基準に配置
ユーザーインターフェースもプロセスの流れに沿って設計される(例:ウィザード形式など)
✅ プロセス中心設計が活きる分野
✅ メリット
| メリット |
|---|
| 業務全体の流れに沿っているため、現場に馴染みやすい |
| 無駄や重複を洗い出しやすい(業務の見える化) |
| 属人化や機能ごとのサイロ化を防げる |
✅ デメリット
| デメリット |
|---|
| 初期のプロセス分析が面倒・手間がかかる |
| 部門間の対立があると調整が難しい |
| 柔軟性に欠け、イレギュラー処理に弱いことも |
✅ 補足:プロセス中心設計 vs 機能中心設計の違い
| 比較項目 | プロセス中心設計 | 機能中心設計 |
|---|
| 設計単位 | 業務の流れ、手順 | 機能、画面、モジュール単位 |
| ユーザー視点 | 高い(現場の手順に一致) | 機能ごとに分断されがち |
| 全体最適化 | しやすい(業務単位で統一) | 部分最適になりがち |
| 柔軟性 | やや低い(流れが固定化されやすい) | 柔軟(機能追加はしやすい) |
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